2010年7月12日月曜日

嘘喰い

ちょっと前にギャンブルを題材とした漫画を映画化した邦画が続けて公開されました。2009年『カイジ 人生逆転ゲーム』2010年『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』です。
『ライアーゲーム』の方は2007年にTVドラマ化され人気を博し、2009年ドラマの第2期が放送、続いて劇場版公開となったので、ご存知の方も多いと思います。

2作品の共通する概要を掻い摘んで説明すれば、とんでもないくらいのお金持ちが自らの趣味で、お金を手にするためになりふり構わず醜い姿をさらす人々を眺めるため、胴元となり、ギャンブル大会を行う。そして主人公達はそれに参加する。ってとこです。

行われるギャンブルも、パチンコとか競馬とか一般的なものではなく、特別なゲームで、勝てば一攫千金。負ければ命を失うとか、莫大な借金を背負わされるとか、かなりのハイリスク、ハイリターン。
ここだけ書くとなんだか身も蓋もないですが、ゲームルールの理解と参加者達の心理戦に重きを置いた内容で、中々おもしろいです。

カイジは、生活に困窮している多重債務者が主人公なので、後がないジリジリしたギャンブルって感じがしますが、ライアーゲームの方はタイトルそのままで、ギャンブルというテイストは少し薄いですね。なんだか全体的にクールな印象。

と言っても2作品とも映画は観てませんけどね。で、ライアーゲームと同じ、『週刊ヤングジャンプ』で連載されている漫画が『嘘喰い』です。

この作品もギャンブルを題材としており、似たような設定なのですが、先の2つが持っていない要素があります。それは『暴力』です。

首尾よく賭けで勝利して報酬を手にしたとしても、
負けた相手が暴力で訴えてきた場合、勝負を無効、どころか腹いせに命まで奪われる事もある。だから勝負中も勝利の後も、身の安全を考えそのための『暴力(武力)』を身につけておくのは当然。ってことです。

なるほど、確かにそうかも知れません。

この作品は、胴元が行うゲームで参加者同士が争う訳ではなく、賭けはあくまで個人対個人で行われるので、ルールに強制力を持たせるものがないため、特に暴力は重要なのです。

作中には、裏の賭け事を仲介する会員制の巨大倶楽部があって、勝負中は公正にゲームができるよう、中立な立場で審判をする、暴と知を兼ね備えた『立会人』が組織より派遣されます。立会人は勝負中のルール違反は許しませんが、勝負が終わった後は勝者、敗者どちらにも肩入れしないので、勝負後の安全は自分で確保しないといけません。さてさてそこで、当事者たちが各々用意した知力と野望と暴力が、時には立会人も含めてぶつかり合う訳ですよ!

要するにこの漫画は、特殊なゲームによる賭けの心理戦と、男子が大好きな、『バトル』を楽しめる、一粒で2度おいしい作品なのです!ビシッと決めた姿で戦いまくる『立会人』とボディガード達の格好良さは『メイちゃんの執事』なんか目じゃない!

惜しむらくは、この手の作品すべてに言えることですが、特殊なゲームのルールを理解して、その上で対戦相手との心理戦で上の上を読んだ方が勝つという展開のため、週刊連載で読むには話が複雑すぎて十分理解できないところでしょうか。ゲームのルールを理解するのですら、難解です。
コミックスで纏めて読んだ方が、絶対おもしろい。
あと、個人的には
近年の執事ブームに先駆けていた作品だと思っております!
今のところ映画化される予定はないようですが、別にしなくていいです。イメージが崩れるので。


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