2015年12月22日火曜日

妻の心中は裏切り者を暴き出すより難しい。 裏切りのサーカス



裏切りのサーカス

2011年、イギリス・フランス・ドイツ合作のスパイ映画


冷戦下、イギリス秘密情報部(通称サーカス)に所属する主人公スマイリーはサーカス内に『もぐら』(裏切り者)がいるとの情報を得、もぐら探しを開始する…ってお話。

複数登場するサーカスの構成員や他国のスパイ組織など、数々の人物の思惑が絡み合い複雑なドラマを生んでいます。なので、ボンヤリ観ているとイマイチ話がよく分かりません。さらにサーカス内の構成員はコードネームを持っており、コードネームと本名、両方使うので余計ややこしいです。(X-Menでいうウルヴァリン=ローガンみたいな感じ)
でも話自体は非常に良く出来ていて、映像の雰囲気とも相まって、小説を読んだかのような気分にさせてくれます。


ただ、この作品で最も印象的なのはスパイ間のスリリングな諜報合戦よりも、『男女間の妙』 です。

主人公スマイリーは切れ者でサーカス内からも一目置かれ、他国の諜報員には恐れられているほどの男なのですが、妻のアンには弱いのです。
作中では明確に語られていませんが(アンは劇中では数カット、しかも後ろ姿のみの登場です)、アンはふらっと家からいなくなり、またふらっと戻ってくる奔放な女性のようで、他の男とも明らかに関係を持っている妻アンに対してスマイリーは複雑ながらもやはり愛情をもっています。ラストでスマイリーが自宅に帰った際、妻アンが戻ってきているのがシルエット的な映像で語られるのですが、その際のスマイリーの後ろ姿はどこか嬉しそうに観えるのが不思議。
男女の仲もまた複雑ってことでしょうかね〜^^;

鑑賞を開始してからすぐにスマイリーに対してものすごい既視感があって、ず〜〜っと引っかかっていたんですが、こないだ分かりました!ノーラン監督のバットマン3部作に出てくるゴードン刑事にそっくりです! まあ役者も同じゲイリー・オールドマンなんでしょうがないんですけど、キャラも似てます(^_^;)