2009年11月26日木曜日

ザ・スピリット&シンシティ



ザ・スピリットは『シンシティ』『300』などの原作者フランク・ミラーが監督。
やはりアメリカンコミック(作者はウィル・アイズナー)を映画化したものです。
『シンシティ』の映画化で
はミラーはロバート・ロドリゲスとの共同監督『300』の際は製作総指揮といった立場で映画に関わっていますが、今作では彼が初単独(?たぶん)監督を務めています。

アメコミ映画の主人公は、イロイロなジレンマを抱えてウジウジ悩んだりしてるやつが多いイメージですが、この映画の主人公はあんまり悩んでません。明るい方です。しかし映像的にどこかメリハリに欠けるというか…アクションシーンがさして面白くないのはミラーの映画監督としての経験不足からきているのかな…。って感じ。まあそれはいいとして、
今回は不遇の名作『シンシティ』についてしゃべりたい!

この映画、公開前は日本でも結構話題になっていましたが、いざ公開されるとボロクソに言われていた記憶があります。なのでさして期待せずに見たんですが、『おもしろい!』
白黒を基調とした独特の映像手法は文句なくかっこいい(これはザ・スピリットにも受け継がれています)し、オープニングの音楽も雰囲気バッチリ。アメコミを映画化した作品ってイマイチおもしろくね~な。と思っていた僕は考えを改めたものです。

ただ『シンシティ』はたまに映画を見る程度の一般女性(映画が好きな女性以外)が見ても全然おもしろくないタイプの作品だろうとは思いました。理由は以下

1 全編バイオレンス。結構残酷なシーンがある。 これはまあしょうがない。
2 登場する3人の主人公(全員オヤジ)がとにかく一人称で自分の美学みたいなのをしゃべりまくる。
3 ストーリーが荒唐無稽。 主人公達は人間離れしたタフさです。

2に関してハードボイルドなオヤジ達の美学、僕はかなり好きなのですが、これがかっこいいとか思えるのはたぶん男だけでしょう。1と3に関しても男性でも好き嫌いあるとは思いますが、女性より許容範囲は広いハズです。

これらの要素から考えて、デートで彼氏に誘われて一緒に見た女性達から「なにこれ? 意味わかんないしおもしろくな~い」と総スカンを喰らってしまったのじゃないでしょうか。話題作だっただけに、そういう人達も多かったことでしょう。この映画は『ロマンを求める男性だけ見て下さい!』とかのコピーで売った方がよかったのでは。逆に話題になりそうだし、嘘も言ってません。まあ、男も女も関係なく評価が真っ二つになりそうな映画ではありますが…

とにかく僕的にはかなりイケてる映画なので、もっと評価されていいと思うんです。
公開当初(2005年)からあった続編の話も一向に聞かないし…(と思って調べたら続編の企画は生きてるようです。出演者の復帰待ちだとか…)
続編が出る。ということはそれなりに評価されてるってことでちょっと嬉しい。
上記に挙げた点からも、全国ネットのゴールデンタイムで放送されることもなさそうだし、見たことがない人は是非一度お試しを。

2009年11月18日水曜日

神戸ビエンナーレに行く



神戸で行われているアートイベント『神戸ビエンナーレ』に行ってきました。
同イベントは2007年に第1回目が開催され今年は2度目の開催だそうです。

多数の現代美術作家の作品(と一言で括るのは少し乱暴ですが)を展示するアートイベントで、
開場はメリケンパーク会場・兵庫県立美術館会場・神戸港会場の3つ。

メリケンパークでの展示は各作家がコンテナを1つずつ使い、その中の空間で自由に作品を表現しています。
この展示方法はとてもおもしろく、いうなればアートの屋台みたいなもんで、あっちを覘いたり、こっちを覘いたりウロウロして楽しめます。暗幕でコンテナに入り口をつけ、外からは中の様子が分からないものもあり『ここはなにかな?』とワクワクさせます。

神戸港会場は遊覧船に乗り、海上に設置されている作品を見せるもので、景色も見られるしちょっとびっくりするような仕掛けもあって、楽しいです。

兵庫県立美術館会場は、時間の都合で海側から建物の外観だけ見ました。
著名な建築家、安藤忠雄が設計したということで、かっちょいい建物ですが、なによりでかい!
なんだか『基地』みたいに見えて、どこかがパカッと開いて飛行機が発進するんじゃないのか?
と思ってしまいました。中を見れなかったのは残念。

話は変わりますが、メリケンパークから見える景色がなんとなく好きです。
川崎重工のものでしょうか、どでかいクレーンが何機も港に設置され、
それが夕日に染まる姿にロマンを感じます。


2009年11月11日水曜日

勝手に対決


最近気になってるTVCMがあるんです。
偶然にも2つともキリンビールのCMだったので、対決させてみます。

1つめは、
麒麟ZERO反町隆史・相武紗季が出演。
このCMは製品(ビール)の小麦色を際立たせるため、その他の要素は
グレーの映像で表現されてるのが特徴。反町隆史と相武紗季が公園のようなところで
バーベキューをしたり、遊んだりして
麒麟ZEROを飲むわけですが、
いかんせん、ビール以外グレーで色がなく、なんだか寒そう。
「あ~のどが渇いた! ビール上手い!」ってな風に見えない。寒そうです。

対する2つめ。
コクの時間ウッチーこと内田恭子が出演。
ウッチーと視聴者=恋人(夫婦)のような設定で
まあ、なにやら会話している風なうちに二人で
コクの時間を飲むと。
檀れいの
金麦と同じですね!
このCMはウッチーをかわいく撮ることにすべてをかけているのでは?
と思ってしまうほど、『これでもか!』と内田恭子がかわいげな演技を見せます。
3パターンほどあったと思いますが、最近みかけないのでこのCMはもうオンエアされてないのかな?

肝心のビールの味はまったく別として、印象深い(僕的に)このCM。さあどっちが勝つか!

一時代を築き、今は「オレはしたいようにやるぜ」なスタイル(に見える)反町隆史
&男子高校、大学生に大人気(たぶん)今をときめく相武紗季!
いくら知的で大人で、美貌のウッチーでも劣勢必死!
となれば、恋人or夫役でである僕(視聴者)が加勢しないわけにはいきません!
そんな訳でこの勝負は
コクの時間ウッチーの勝ち!

味は…
麒麟ZEROのが上手いかな…。

2009年11月5日木曜日

嵐とアーティスト

先日、ニュースZEROを見ていたところ、ジャニーズ嵐のリーダー大野君と、芸術家の奈良美智さんが対談をするコーナーがありました。 大野君は嵐の中では無口で目立たないリーダーですが、他のメンバーにはずいぶん頼りにされてるようです。いつも控えめながら、僕も嵐の中では一番好きな人物です。彼は趣味でイラストを描いたり、立体物を作ったりもしているようで中々上手。個展なども開催したようです。そんな繋がりでこの2人が対談する企画が持ち上がったのでしょう。対する奈良智さんは有名なアーティストで、幼い女の子をモチーフとした作品が有名です。誰もが見かけたことぐらいはあると思います。
僕は別段奈良さんのファンでもないので、そのコーナーで久しぶりに彼の作品を見ました。彼の描く女の子が「なんだか、ずいぶんやさしい顔になったな」と思っていたら、そのことについて話しだしました。

「昔は僕も人に親切にされることが少なかったから、彼女達はああいう顔だった。今はたくさんの人が親切にしてくれるようになったから、彼女達の顔も自然に優しくなった」と。

昔の奈良さんの作品は、女の子の大きな瞳の目尻はつり上がり、時には刃物をもっていたりで、かわいい中にも毒がある作風でした。現在でももちろんそうなのですが、「かわいい」と「毒」の比重が変化したのは見てとれます。

もし奈良さんが現在も不遇のままだったなら、彼女達の目は今だつり上がったままだったのだろうか?    とふと思ったのでした。 

2009年11月4日水曜日

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ


続いて映画の話題。邦画「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」を見てみました。この映画、まずタイトルがいい。内容は家族間の確執を描いたブラックコメディのようで、主題歌はチャットモンチー。「なるほど。からっとしたテイストなのかな。」と予想してたのですが…。

大筋は、東京で女優を目指す長女(佐藤江梨子)が両親の事故死で田舎の実家に帰郷。
実家には兄
(永瀬正敏)と妹
(佐津川愛美)、兄嫁(永作博美)の3人が暮らしており、超わがまま(しかもバカ)な長女の帰郷により、兄嫁以外の兄弟3人で色々もめる。 といった感じ。

どうしても女優の道をあきらめられない長女の無茶苦茶な性格の設定と、映像・演出も明るいテイストにはしてあるのですが、兄弟間の問題というのは結構ドロドロ。主人公のサトエリをはじめ、登場人物もどこか屈折した性格ばかりなので、イマイチ好きになれません。
最終的には長女と妹の関係がいい方に変わるのですが、「だからなんだよ。」って感じ。
なんというか、僕には合わない映画でした。 あえて言えばサトエリのスタイルの良さはさすが。やっぱり綺麗な人だなあ。というとこぐらいでしょうか。