子供がとにかく「なんで?」「どうして?」とあらゆることについて聞いてくる。
「どうしてウンチはお尻の穴から出るの?」とか「どうして忍者は高くジャンプできるの?」と
実に子供らしいことから
「地球があって、宇宙があって、宇宙の外はどうなってるの?」とか「どうして僕は生まれてきたの?」と
こちらがギクリをするようなことまで聞いてくる。
俺が分からないことは
「お父さんにも分からない。たくさん勉強して大きくなって、答えが分かったらお父さんに教えてくれ」
で済ましている。
この質問攻めには参ってしまうが、この無邪気な探究心は俺にもまだ残っているのです。
週に数回、近所のコンビニでカフェラテを買う。
いつも同じ物を買うので、馴染みの素敵な店員さんが、
「次に来られる時はカフェラテが220円から180円に値下げされてますよ」と教えてくれた。
すると単純な疑問が頭をもたげてくる。どうして値下げされるのだろうか?
それはもう口をついて出ている。
「どうしてですか?」
答えは
「さあ〜? どうしてなんでしょ?」
せち辛いこのご時勢、値上がりすることはあっても、値下がりするのは珍しいのではないか?
しかも220円から180円に値下げとなれば、結構な値下げだ。
しかし、データを集計してカフェラテが沢山売れることが分かったから材料の大量発注でコストを下げたとか、材料の質を落としたとか、ホントにそんな理由なら店員さんも言いづらいだろう。
ここは野暮なことを言わず
「値段が下がるのは嬉しいですね」ぐらいでケリをつけておくべきなのだ。
以前スターバックスでこんなことがあった。
来店すると、今まで一番大きいサイズだった Grande(グランデ)を超える Venti なるサイズが登場していた。
そこで、さっそく接客してくれた若いかわいい女性店員に尋ねる。
「なんて読むんですか?」
若いかわいい女性店員は満面の笑みで
「これはイタリア語でベンティと読みます!」と元気良く教えてくれた。
するとさらに疑問が頭をもたげてくる。
「どういう意味なの? Grandeより大きいサイズだから、すごく大きいとかそんな意味?」
すると女性店員さんは
「あっ…えっと……意味は分からないんです。ゴメンなさい…」と しゅん としてしまった。
しまった! お姉さんに恥をかかせてしまった!
「いや! 大丈夫です! 僕も分からないし! それよりどうですか?僕とお茶でも?」
と冗談を言って場を和ませようと思ったが、俺ももう若者ではない。このセリフを全部言ったら
完全にオヤジが若い女の子を困らせている図になってしまう!と思いとどまり、
「いや! 大丈夫です! 僕も分からないし! ハハ…」となった。
そういえばTSUTAYAでもこんなことがあった。
TSUTAYAでは店舗でレンタルしたCDやDVDを郵送で返却できるというサービスがある。
それをはじめて利用した際、大学生らしき店員のお兄さんがシステムを説明してくれた。
「この郵送返却専用の袋に入れて、返却期限当日の朝8時までにポストに投函してください」とのこと。
そこでまた色々な疑問が頭をもたげてくるのだ。
「えっ? 当日の朝8時までにポストに入れたら大丈夫なの?」
「はい。大丈夫です。」と店員さん。
一言でポストと言っても場所や集荷時間もまちまちだ。中には1日に1回しか集荷されないようなポストもあるだろう。
それでも当日の朝8時までに投函すれば同じ。不思議だ。だいたいどうして朝8時までに投函したと分かるのか?不思議だ。
「え、じゃあ(借りたのは岡山の店舗)北海道とか沖縄のポストからでも朝8時までに投函したら大丈夫なの?」
本当に聞きたかったのだが、さすがにこれを聞いたらバカだと思わるんじゃないかと思い、聞くのはやめた。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥 と言いますが、
聞かれる方にだって
『そんなこと俺に聞かれても…』ということもあるのだ。
なんでもかんでも聞けばいい訳ではない。
答えを持っていそうな人に聞くべきだ。
子供はいつまで俺に質問をしてくれるだろうか。