2015年6月25日木曜日

妻と喧嘩して1週間も口をきいてないが、家族で妻の実家にいく用事があるとき


『おい。どうする?』


自問自答を繰り返すが、

さっぱり分からない。どうしようもない。いかんともしがたい。

大体どうして妻と喧嘩になったかと言うと、これはまったく俺は悪くない。
妻からすれば普段の俺に何か含む所があって、きっかけがあって噴出したのかもしれないが、
あの態度はない。普通の人なら怒る。俺は絶対悪くない!

………いや、やめよう。どちらが正しいかなんて今は意味が無い。ただ険悪になって1週間口を聞いていない。
お互い歩み寄るつもりもないという事実のみ。男と女の間には大きな川が横たわっているのである。お〜こわ!

次の連休、妻の実家に帰り、お客様を迎えて一緒に食事をする予定がある。
なので俺も妻実家の一員としてお客様をおもてなししなければならない。

テーブルの端に座って口数少なくビールを煽り、子供の相手をしてお茶を濁しつつ過ごす訳にもいかないのだ。
なにかしら妻との連携は必要になるはずだ。


なにせ夫婦喧嘩はカッコ悪い。犬も喰わない。

周囲に『こいつら喧嘩してるの?』と勘付かれ微妙に気を使われるのは、もう果てしなくカッコ悪く、恥ずかしい。ダサい。
でもしょうがない、俺は悪くないし。

ここで俺だけ行かないという選択肢はない。普段から妻の両親には非常に良くしてもらっているからだ。
適当に『仕事が…』とかいって欠席するような不義理はとてもできない。しかし険悪な雰囲気を察せられるとカッコ悪い。

とはいえ「もういいじゃないか。仲直りしよう」とこちらから歩み寄るなど考えられない。
大体なんなんだ?、妻が一言「あの時はイライラしちゃって。ゴメンね」と言えば俺もやぶさかじゃあない。
こんなにもんもんとしないでも済むのに。チクショ〜!

八方塞がりだ。


せめて自分の気持ちの落とし所を探ろうと考えあぐねていると、ぼんやりと答えが見えてきたような、そんなような気がした。
その答えとはこうです。

かつてドラゴンボールの主人公、孫悟空はこう言った。


「まずはスーパーサイヤ人でいることに慣れるんだ」


スーパーサイヤ人とは主人公 孫悟空の一族(サイヤ人)の中でも特に才能を秘めたごくごく一部の者のみが、
怒りで理性のタガが外れるなどのきっかけを経て得られる究極の覚醒状態で、戦闘能力が信じられない程アップする、まさしくスーパーパワーアップした状態のこと。

が、悟空はこのスーパーサイヤ人状態をキープし、さらなる高みを目指そうとするのである。

つまり我々夫婦も、この『喧嘩して口をきいてない状態』を特別に考えずに

「僕達夫婦は元からこうでしたよ〜」
「普段から会話のない無口な夫婦なんです〜」

しれ〜っとしていればいいのではないか?

喧嘩してるからと不穏な空気を出さず、しれ〜っとしていればいい。これが普通なんだ。俺はスーパーサイヤ人だ。
そう考えるとなんだかやれそうな気がしてきた。


でもさ、

悟空はいいよ。どんどん強くなるだけだから。

うちの夫婦関係はこの先どうなってしまうのだろうと、一抹の不安が頭をよぎる。

そんな夜だった。

それでもボクは悪くない。

せめてイラストはかわいくしておきました。

※ここまで読んでくださった付きあいのいい、かつ聡明な皆様ならもちろんお分かりだとは思いますが、
これは全部フィクションですので本気にしないでください。