2010年5月30日日曜日

SAW6

ソリッド シチュエーション スリラーというジャンルを確立、世に知らしめたヒット作、SAWシリーズの6作目です。

ここで原点SAW1の粗筋を紹介しておきます。見たのはかなり前なのでうろ覚えです。細かいところが間違ってたらすいません。

ある廃墟ビルの1室。広いバスルームで、2人の男が目を覚ます。2人は部屋の隅に対角線上に位置し、部屋の中央には頭を撃ち抜き自殺した老人の死体。2人は各々、足首を太い鎖で繋がれ、監禁状態にあることに気づく。
2人は面識もなく、お互いが何者かも分からない。2人が混乱していると、ポケットにカセットレコーダーが入っていることに気づく。
それを再生すると…
『何もしなければ、数時間経過した時点で2人とも死ぬ。しかし1人を殺せば、1人は助ける。』と2人を監禁した犯人=最近世間で話題になっている殺人鬼『ジグソウ』からのメッセージが。
状況を確かめようと周辺を探った2人は『受信専用携帯電話』『1発だけ弾が入ったピストル』『ノコギリ』を見つける…。徐々に明らかになる2人の男の素性と接点。なぜ自分たちが監禁されなければならないのか。死体の老人は何者なのか。何もしなければ2人とも殺される。時間とともに追い詰められていく2人の男が取る行動とは…。

これは殺人鬼『ジグソウ』による『ゲーム』で、体験者は助かるために究極の選択を迫られるのがSAWシリーズの特徴です。SAW1の場合、考えられる選択肢は、『犯人の言葉を信じて、ピストルでもう1人を撃ち殺す。』または『ノコギリで足首を切断、鎖から抜け出し、2人でバスルームからの脱出を試みる。』などなど…助かるにはそれなりの犠牲と痛みを伴うことになります。この残酷なゲームの体験者は強制参加ですが無差別に選ばれるのではなく、それなりに訳があるのがストーリーを追っていくと明らかになるのもシリーズ共通しています。

このように、限られた状況下を(密室・船上とか逃げ場がない状況)舞台としている作品を『ソリッド シチュエーション』と位置づけているみたいですね。

SAW1は傑作だと思います。物語の冒頭、監禁された2人の男と同じく、見ている方も訳が分かりませんが、徐々に状況を把握、浮かんでくる残酷な選択肢。追い詰められる2人。意外なラストと目が離せません。 痛々しい描写が多いので観るにはそれなりに馬力がいりますが、ストーリーもよく出来ています。
SAW1は低予算で制作されたにも関わらず、かなりの興行成績を上げたヒット作となり、以後続編が作られるようになりました。

一応1~6まですべて観てますが、ストーリーは1の時からすべて繋がっていて、2以降は続編を見ないとよく分からない複線がビシバシ登場します。
1がヒットして続編が作られるのはいつものことですが、それでも大抵は3作目で完結します。だから2で3に続く複線があるのは理解できます。しかしこのSAWシリーズ、続編が出るたびに、宣伝ポスターなどでは、『ついに○○の謎が明かされる』とか書いてあって、「完結なのかな?」と思って観てみると、次回作へ引っ張る複線が多く出てくるのは、腑に落ちないし、やり方としてあんまり好きじゃないです。(噂では9作目まで企画されているらしいですが)

で、続編もののサガではありますが、SAWは残酷さがどんどんエスカレート!
かなりエグい『ゲーム』がガンガン行われます。前作5のラストなんか、見ていて珍しく胸糞が悪くなってしまいました。
『ジグソウ』は3の時点で死んじゃって、以後はその犯罪を引き継ぐ後継者、2代目ジグソウは誰なのかって話になりますが、「それ、そんなに重要かあ~?」って感じで…。今までのシリーズ全部見ておいてなんですが、『6』までいるかなあ、この映画? 3ぐらいでやめておけばまだよかったのに…(ちなみに6も複線バリバリですので、7があることは間違いなさそうです)

そんな訳でSAW1だけオススメしておきます。